穴を掘り過ぎた男

ある日、山に住む男が穴を掘り始めました。最初は小さな穴でしたがやがて彼はその穴をどんどん広げ深く掘り進めました。

彼はただひたすらに穴を掘ればやがて何か素晴らしい結果が訪れると信じてやみくもに掘り続けました。

周りの人々は男が何をしているのか不思議に思い彼を見に来ましたが彼が何か大切なものを掘り出すために努力していると思っていました。

男は明確な目標がないまま、ただ深く穴を掘り進みました。周りの人々は彼を止めようとしましたが男は誰の言葉も聞こうとしませんでした。

やがて男が掘った穴は彼自身の身長を超えやがて人々が見ることができなくなってしまいました。

それでも男は穴を掘り続けだんだんと周りの人々とのつながりを失いましたがそれでもひたすらに穴を掘り続けました。

やがて男は穴の中に閉じ込められ周りにはただただ土煙が立ち上るばかりでした。

数日後、山に住む老人が男を見つけました。彼は男を引き上げようとしましたが男は手を取らずまだ穴を掘り続けることを選びました。

その後、男は誰からも見捨てられ穴に閉じ込められたままでした。彼は一生を穴の中で過ごし周りの人々からは「穴を掘り過ぎた男」として語り継がれることになりました。